研究会・講習会

第64回関西STOMA研究会開催報告

令和5年6月3日、大阪市の「クレオ大阪中央」にて第64回関西STOMA研究会を開催させていただきました。台風の影響もある中、会当日は晴天に恵まれ、多くの参加者(280名)にご来場いただきました。 演題数も多くのご応募があり、主題関連演題14演題、一般演題6演題、特別講演1題のご発表をいただき、質疑応答も活発な充実した研究会となりました。

今回のテーマは“つないでいくストーマケア”とさせて頂きました。一つには病棟でのケアから外来通院へ、病院から自宅や施設へとつないでいく個別のストーマケア、そしてさらにはWOCナースの方々が中心となって次の世代へとつないでいくこれからのストーマケアのあり方を皆で考えていきたかったからです。特別講演は山梨県の貢川訪問看護ステーションの後藤茂美先生にお願いし、「ストーマ保有者が退院後も安心して生活できるための心配り」という、後藤先生が訪問看護ステーションのWOCナースの立場から感じた患者さまへの思いや、ストーマケアにおけるこれからの地域連携のあり方についてお話しくださり、私たちに参加者にとって非常に興味深くまたこれからの診療や看護に役立つご講演を拝聴することができました。
当日新幹線が動かず、後藤先生が来場できないというハプニングの中、急遽ZOOMに切り替えてのご講演をお願いしましたが、見事なご講演をしていただき、ありがたく思っております。

若輩者のわたくしが、この伝統ある関西STOMA研究会を無事に成功裏に終えることができましたのも、会長の西口先生はじめ諸先輩方のご指導や、協力してくれたスタッフの皆様、研究会の趣旨をご理解くださりご協賛いただいた企業の皆様のおかげと、心より感謝いたしております。この場を借りてお礼申し上げます。
最後になりますが、皆様のご健康とご多幸を祈念いたしております。

第64回関西STOMA研究会 当番世話人
井上 透

テーマ

『 つないでいくストーマケア 』

当番世話人

大阪市立総合医療センター消化器外科 井上透

会期

令和5年6月3日(土曜日)

会場

クレオ大阪中央(大阪市天王寺区)

プログラム

        
13:00~13:05 開会の挨拶 
当番世話人 井上 透
(12:00~16:30) 企業展示 
(4階 セミナーホール・音楽室)
13:05~13:55 <セッション:主題>つなぐ1

座長
中田 健
(市立東大阪医療センター 消化器・総合外科)

榊 裕美
(大阪市立総合医療センター 看護部)


  1. ストーマ造設術前における外来でのWOCN介入の重要性とチーム医療
    大阪赤十字病院 看護部 遠藤 麻子
  2. 病棟で必要なオストメイトへの指導 ~ストーマ外来の記録から明らかになったこと~
    三田市民病院 看護部 大機 真悠香
  3. ストーマ造設術を受ける精神疾患患者の身体・こころ・社会をつなぐセルフケア支援
    神戸市立西神戸医療センター 看護部 櫻井 三希子
  4. ストーマ造設術後5日での退院を希望する患者に対して術前ストーマ指導を強化して行った1事例
    泉大津市立病院 外科 三浦 光太郎
  5. 在宅で行ったストーマケア自立へ向けた関わり
    長浜赤十字病院 訪問看護ステーション 久保田 由美
  6. 老年期の人工肛門造設した患者に対しフィンクの危機モデルを用いて看護介入した1症例
    社会福祉法人 京都社会事業財団 西陣病院 看護部  河村 亜也佳
  7. アルツハイマー型認知症のある患者へ術前から訪問看護や認知症ケアチームと連携してダブルストーマの排泄処理指導を行った症例
    大阪赤十字病院 看護部 密山 実鈴
13:55-14:45 <セッション:主題>つなぐ2

座長
野村 明成
(日本赤十字社 大阪赤十字病院 消化器外科)

安藤 嘉子
(日本赤十字社 大阪赤十字病院 看護部)


  1. 医工連携によるstoma装具の再考
    社会福祉法人 京都社会事業財団 西陣病院 外科 高木 剛
  2. 人工肛門造設術を受けた患者に作成した情報提供用紙の運用後の評価と課題
    地方独立行政法人 市立東大阪医療センター 澤山 徹朗
  3. ストーマ装具選択フローチャートの活用
    長浜赤十字病院 看護部 中川 真梨子
  4. 高BMI症例の双孔式回腸ストーマ術後早期における装具管理の注意点― 皮膚障害発生事例の検討から ―
    奈良県立医科大学附属病院 看護部 高橋 紗也佳
  5. 在宅で壊疽性膿皮症を発症した利用者のストーマケアの経験
    長浜赤十字病院 訪問看護ステーション 上田 千春
  6. 坐骨部難治性褥瘡患者に対し、多職種連携で治療にあたった一例
    大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 看護部 藤原 裕子
  7. 自宅退院を希望した全盲高齢オストメイトを支援する多職種連携の取り組み
    地方独立行政法人 市立東大阪医療センター 看護局 佐伯 真希
14:45~15:00 休憩
15:00~15:45 <セッション:一般演題>

座長
吉岡慎一
(八尾市民病院 消化器外科)

大音博美
(長浜赤十字病院 看護部)


  1. A病院におけるエコーを用いた確実な腹直筋描出の普及
    市立貝塚病院 看護局 西川 貴子
  2. ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘術に伴う尿路ストーマ造設後のストーマ関連合併症とストーマケアに及ぼす影響について
    大阪市立総合医療センター 泌尿器科 羽阪 知宏
  3. 結腸ストーマが原因となり繰り返す胃拡張に対し、ストーマ閉鎖術が有用であった1例
    八尾市立病院 外科 水野 真夏
  4. 潰瘍性大腸炎大腸全摘術後33年で、ストーマ周囲に壊疽性膿皮症を発症した1例
    市立岸和田市民病院 看護局 佐藤 美香
  5. 療養場所を見据えた食道瘻管理の一例
    社会医療法生長会 ベルランド総合病院 看護部 中城 佳怜
  6. 開腹肝部分切除後、十二指腸縫合不全を発症し瘻孔ケアに難渋した症例
    大阪市立病院機構 大阪市立総合医療センター 看護部 松村 重光
15:45~16:15 休憩
企業展示(4階 セミナーホール・音楽室)
16:15~17:05 特別講演―地域連携へとつなぐストーマケア―

座長
井上 透
(大阪市立総合医療センター 消化器外科)

加藤裕子
(つながる訪問看護ステーション)


  1. タイトル:『ストーマ保有者が退院後も安心して生活できるための心配り』
    演者:公益社団法人山梨県看護協会貢川訪問看護ステーション
    皮膚・排泄ケア認定看護師 後藤 茂美先生
17:05~17:15 優秀演題表彰式および閉会の挨拶
当番世話人 井上 透