第65回関西STOMA研究会開催報告

令和6年6月15日、大阪市中之島にある「大阪市中央公会堂」にて、第65回関西STOMA研究会を開催いたしました。梅雨入りの時期にもかかわらず、晴天に恵まれ、360名もの多くの参加者にお越しいただきました。 一般演題21題、特別企画講演2題という充実した内容で、重要文化財での開催にふさわしい盛会となりました。

今回のテーマは「愛と情熱のストーマケア」といたしました。当番世話人として、私自身がストーマケアに対する強い愛と情熱を持ち続け、その誇りをもとにこのテーマを設定しました。 この研究会の広報活動から当日まで、何度もこの言葉を口にしてまいりました。開催側の愛と情熱はもちろんのこと、ご協力・ご協賛いただいたすべての方々の愛と情熱を感じることができました。 当日にはさらに愛と情熱があふれる発表と、それらに対するディスカッションが行われ、胸が震える思いでした。

特別企画として「オストメイトを支える情熱の戦士たち」と題し、メーカーや販売店の皆様の活動や仕事への強い情熱をお聞かせいただきました。 医療従事者だけでは解決できない社会環境の改善活動や、ストーマ装具の販売を通じてオストメイトを支える販売代理店の方々の活動を知っていただくことで、より良い協働ができると考えました。 第1部では、ストーマ装具の給付額の上昇や給付対象製品を理解してもらうために、データをもとに各自治体へ説明・依頼する活動についてお聞きしました。 医療従事者だけではできない社会への働きかけとその重要性が伝わりました。第2部では、販売店の方々の仕事とその情熱についてお話しいただきました。 参加された医療従事者の皆様にとっても、ストーマ用品メーカーや販売代理店の方々が一つになり、それぞれの情熱を共有することができたと感じています。 今後の多職種連携に大きな布石となると信じています。

この伝統ある関西STOMA研究会を無事に盛会に終えることができましたのも、協力してくれたスタッフの皆様、研究会の趣旨をご理解いただきご協賛くださった企業の皆様のおかげと、心より感謝申し上げます。 この場を借りて、改めてお礼申し上げます。最後になりますが、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

第65回関西STOMA研究会 当番世話人
安藤 嘉子

テーマ

『 愛と情熱のストーマケア 』

当番世話人

大阪赤十字病院 看護部 安藤嘉子

会期

2024年6月15日(土)10時15分~ 17時15分

会場

大阪市中央公会堂(大阪市北区中之島1-1-27)

プログラム

10:15-10:20 【開会のあいさつ】 
当番世話人 安藤 嘉子
10:20-11:25 【一般演題1】 
座長

稲垣 水美

土庫病院 奈良大腸肛門病センター

渡邉 光子
関西労災病院 リソースナースセンター
  1. 経会陰内視鏡を併用したロボット支援下直腸切断術に対する取り組み
    大阪赤十字病院 外科 塚崎 翔太
  2. 複数在籍におけるWOCのストーマ保有者の在宅支援
    小泉クリニック 社会福祉法人光養会特別養護老人
    ホームふじの里 訪問看護ステーション 然
    伊庭 治代
  3. 終末期に発生する防ぎきれない褥瘡(ケネディ終末期潰瘍)に対して多職種への倫理的調整を行なった症例
    医療法人葛西医院 訪問看護ステーションかっさい
    江口 陽貴
  4. ストーマケア講習会受講修了者の活動報告
    社会医療法人生長会 ベルランド総合病院 消化器外科病棟
    福本 愛子
  5. 病棟看護師が主体的に行うストーマ装具選択の標準化への取り組み
    宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション 淀川キリスト教病院 看護部
    上野心平
  6. フィンクの危機モデルを用いたストーマケア自立へ向けた関わり
    大阪大学医学部附属病院  看護部
    山田 悟史
  7. 外来通院でケアを継続したストーマ周囲壊疽性膿皮症の一例
    公益財団法人 天理よろず相談所病院 看護部
    小川 真理
11:25-12:35 【一般演題2】 

座長
鈴木 玲
(済生会千里病院 外科)

藤原 恵美子
(宗教法人在日本南プレスビテリアンミッション淀川キリスト教病院 看護部)
  1. 尿路変向術を受けた患者の退院後の生活上の問題
    大阪赤十字病院 看護部 北野 佑季
  2. ストーマ保有者のがん薬物療法治療中のケアについての一考察
    地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター 看護部
    西野 幸子
  3. 空腸ストーマを有する短腸症候群症例におけるGLP-2製剤導入時のストーマ管理
    奈良県立医科大学附属病院 看護部 西林 直子
  4. 術後ストーマセルフケアに自信を喪失した高齢オストメイトに対し個別性に合わせたケアの工夫で手技の習得が可能となった一事例
    市立貝塚病院 看護部 中筋 菜々
  5. ストーマ造設拒否を契機にAdvance care planningが進んだ1例
    泉大津市立病院 外科・内視鏡外科 三浦 光太郎
  6. 帝王切開術後手術部位感染に対するキャニスターレス単回使用陰圧創傷治療システム導入の効果
    地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター 看護部
    中西 恵美
  7. ストーマ粘膜皮膚接合部離開とSSIを発症後治癒し、在宅へ移行できた一症例
    社会医療法人健生会 土庫病院 消化器外科病棟
    藤田 恵子
14:00-15:00 【一般演題3】

座長
稲本 将
(大阪赤十字病院 外科)

濵元 佳江
(nagomi堺鳳訪問看護ステーション)


  1. 知的障害をもつストーマ造設患者の退院支援におけるアンコンシャスバイアス
    市立貝塚病院 看護局 高浦 聖乃
  2. ストーマ部から出血を繰り返す患者に対する在宅療養生活継続への関わり
    公立八鹿病院 看護科 吉野 洋子
  3. 全人的苦痛の観点からとらえた緩和ストーマ造設患者のケア
    西宮市立中央病院 看護部 中本 麻衣
  4. 病棟看護師のストーマケアに対する意識調査~ストーマケアのペア実施制度導入の効果
    大阪急性期・総合医療センター 看護部 堀田 なつみ
  5. ストーマと近接した腹部離開創のパウチングを用いた創面環境調整
    大阪府済生会千里病院 看護部 石塚 操樹
  6. 地域のクリニックにおけるストーマ外来の役割
    医療法人 みんと会 にしはらクリニック
    中西 由香、西原 承浩
  7. 在宅療養者の複雑なストーマ管理等を病院所属の皮膚排泄ケア認定看護師と連携した症例
    医療法人葛西医院 訪問看護ステーションかっさい
    平山 司樹
15:30-17:00 【特別企画 オストメイトを支える情熱の戦士たち】

第1部 社会保障制度・給付の変革にたたかう戦士たち

座長
岡田 倫明
(大阪赤十字病院 外科)

福嶋 智子
(大阪赤十字病院 看護部)


  1. 給付制度に関する保障の改善活動
    ~Speaking Out Together!一緒に声をあげましょう!~

    コロプラスト株式会社 濱本 英喜
  2. 自治体への教育・啓発活動
    ~え?これは給付対象ですよね?~

    株式会社ウエル・カムサポートセンター 桜井 亮友

第2部 オストメイトに向き合い続ける戦士たち

司会  梅山 慎一郎 (株式会社福山医科 在宅ケア事業部)
  1. 石黒メディカル株式会社東大阪支店 高根 のりこ
  2. 株式会社ウエル・カムサポートセンター 竹之内 勝美
  3. 川村義肢株式会社エイドセンター 二田 浩
  4. 株式会社ケンコー大阪支店 坂本 和浩
  5. 村中医療器株式会社 中原 勝
17:00-17:10 優秀演題賞表彰
17:10-17:15 閉会のあいさつ